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アジア大会の運営に対するタイ人選手の不満投稿が拡散、タイ国内では不手際に失望の声

9月19日から開催されていた「第20回愛知・名古屋アジア競技大会」が10月4日に幕を閉じる。

男子100メートルでは、タイのプリポン・ブーンソンが9秒90の大会新記録で金メダルを獲得。200メートルでも19秒88で優勝し、2冠に輝いた。

日本開催のアジア大会で相次ぐ異例のトラブル 宿泊施設から国歌まで、運営に何が起きているのか

一方、今大会は各国の参加選手から大きな不満の声が出たことでも話題になった。タイでも自国選手の投稿が大きな波紋を呼んでいる。

同大会は当初、参加者が1万5000人レベルということで準備をしていたが、OCA(アジア・オリンピック評議会)がテックボールなど競技を追加し、最終的に選手・関係者合わせて1万7000人超に増加。タイの日刊紙によれば8月28日に主催者が「追加登録選手・関係者は自身で宿泊先を探すように」と各国に伝えてきたと報じている。

そもそも予算削減のため本大会では選手村を建設せず、ホテルや客船など宿泊施設に分散させようとしていた。しかし、急きょ2000人が増加することに人も予算も足りないと説明していたという。

タイ国内でこの問題が拡散されたのは、セパタクロー代表チームが日本に着いた際の選手によるSNS投稿がきっかけだった。

9月16日、名古屋到着のタイ代表チームは主催者側から指定されていたイタリアの客船コスタ・セレーナへ向かう。しかし、船の宿泊システムに選手らの名前がなく、チェックインできなかった。そのため、選手たちは約20~24時間も部屋に入れず、船のロビーの床に横になって待っている状態となり、その様子を写真つきSNSにアップした。

タイ側オリンピック委員会関係者によると、日本から委託を受けた業者がセパタクロー選手一同の宿泊書類を送り忘れたことが原因と説明している。

「食事が少なすぎる」

ほかに特に問題になったのは食事だった。宿泊・移動時に食事が提供されなかったこと、競技会場の食事量が少ないといった選手の不満が続出したのだ。9月17日、テックボール・タイ代表チームのコーチがSNSに動画投稿した昼食の様子が特に話題になった。

コーチはブッフェ形式の料理を取りながら「少ない」といった発言もあり、さらに野菜をもう一品取ろうとしたところ、スタッフから「1種類だけ」と言われてしまった。

この投稿により、「日本のアジア大会の食事が少なすぎる」という話題がタイのネットで拡散された。9月21日にも陸上タイ代表も大会の食堂についてSNSで紹介。食事はおいしくメニューの種類もあるし、栄養バランスもいいとする一方で、「量が少ない」とした。

これらの情報により、タイ国内メディア各社が「競技者が必要とする量を安定して確保できない場面がある」と報道。一方で、9月22日に主催者からタイのテックボールの食事問題は「愛知・名古屋大会組織委員会が提供した食事ではない」と説明があったとも報道している。

日本バッシングより失望

これら不満はタイ代表だけでなく、参加各国からも出ている。

たとえば韓国バスケットボール選手は、仮設宿泊施設として提供された木造コンテナが長身の選手では足を伸ばして寝られないとコメント。中国代表団は名古屋の空港周辺で長時間待機させられ、一部の選手・関係者は約6時間、移動も食事もできない状態だった。インド代表も空港・輸送システムで長時間待機していたという報道もあった。

「日本選手は競技場にも近いホテルに泊まっているのに、外国選手は床で待たされる」という一般タイ人の声も拡散され、「単なる運営ミスなのか、外国選手への扱いに差があるのか」といった、選択的な扱いがあるのではないかという議論にまで発展している。

タイ在住日本人による、タイの空港入国審査の長蛇の列と比較した個人的なSNS投稿までもが取り上げられ、一見、多くのタイ人が日本への不満を募らせているように見受けられる。

ただ、全体的な論調は日本バッシングという印象ではなく、「日本でこんなことが起きるとは思わなかった」というニュアンスだ。

タイ人からは、日本というのは時間に正確、組織運営がきっちりしている、サービスの品質が高い、国際イベントの運営能力が高いと評価されている。それゆえに今回の不手際が目立ち、多くの選手が失望したという声が多かった。

近年、タイはスポーツ選手育成に力を入れている。スポーツ観戦が好きなタイ人も多く、選手が有名・無名にかかわらず熱狂して応援する傾向にある。そのため、タイ代表選手たちのトラブルに強く反応し、報道が大きくなったと見られる。

文/髙田胤臣 内外タイムス

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