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ビールや発泡酒などの税率が一本化へ ビールは値下がりし「ビール戦争」激化も

酒税法改正により、10月1日からビール類の税率が変わる。ビールなどの税率は麦芽の比率や原料によって異なるが、「ビール」「発泡酒」「第三のビール」の税率が350mlあたり約54円に一本化される。ビールは9円ほど下がるが、発泡酒などは逆に7円ほど上がる。

税率変更の理由は、類似商品間の「税負担の公平性」を確保するためとされる。また、複雑に分かれていた区分を整理することで制度を簡素化し、課税管理や事務負担を軽減する狙いもある。

課税側である財務省の論理では、税率の違い(安さ)を狙って開発された新ジャンル(発泡酒・第三のビール)のひずみを解消し、原材料や製法が似たお酒の間で税率の格差をなくすということだが、メーカーの商品開発努力をつぶしているようにしか見えない。

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とはいえ、消費者にとっては、「節税のための商品開発」から脱却して本来の「味やクオリティーの向上」に重点を置いた開発になるのであれば、それはそれで結果オーライである。

税率変更によりビールは値下がり傾向、第三のビールや缶チューハイ(※350mlあたり7円値上げで35円)は値上がり傾向となり、店頭価格の差が小さくなる。「安いから第三のビールを選ぶ」という動機が薄れ、「味や品質、好みで選ぶ」傾向が強まると見られる。本格派ビールを好む層にとっては追い風かもしれない。

実際、ビール大手4社(アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ)は、ビール減税による需要回帰を取り込むため、看板ビールの強化と新ジャンルブランドの“ビール化”という二大戦略を進めている。

例えば、サントリーは同社を代表する新ジャンルだった「金麦」を、麦芽の使用比率や醸造方法を変更して「ビール」として再展開する。

フードジャーナリストの山路力也氏はYahoo!ニュースの記事に「安い価格帯で勝負を挑む『金麦』や『本麒麟』を迎え撃つ『スーパードライ』や『一番搾り』。そこにPBビールがどう割り込むか、という構図になりそう」と書いている。

消費者のお酒を選ぶ基準が「価格の安さ」から「味・品質・体験の価値」へと移行すれば、多種多様なフレーバーや独自のスタイルを持つクラフトビール市場にとっては強い追い風(活性化の契機)だ。一方、クラフトビールは小規模醸造ゆえに、減税による税負担の軽減分よりも現在は製造コストの上昇分の方が大きいため、すぐに店頭価格を下げる余裕がないともいわれる。大手との直接競争の激化という課題も出てきそうだ。

いずれにせよ、ビール市場が新しい段階に入ったのは間違いない。

文/横山渉 内外タイムス

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