小学校のクラス写真廃止に保護者が反発 “性的ディープフェイク対策”で消える「思い出」の行方
学校の恒例行事であるクラス写真の撮影を名古屋市の一部の小学校が廃止。小学校に通う児童の保護者らは25日、名古屋市教育委員会に署名を提出し、波紋を呼んでいる。
名古屋市では例年、新学期が始まる4月にクラス写真を撮影してきた。しかし今年は、教育委員会が把握する限りでは、市内の2校で廃止されたという。複数の保護者らはこれに反発。PTAの要請により、学校側は5月、保護者全630世帯へのアンケートを実施。回答があった約200件のうち約7割が継続を望んでいた。
そして今回、有志の保護者が224世帯分の署名と要望書を教育委員会に提出。教育委員会が学校側に対応是正の指導を行うよう求めた。保護者らは「学級写真がなくなるということを、簡単に学校側だけで決めてしまうということが、私たちが一番疑問に思うことです」と訴えている。
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では、なぜ学校側はクラス写真を廃止したのか。廃止を伝えた時点で挙げていた理由は「プライバシー保護」「全撮影に約3時間かかるので授業を優先したい」「欠席者への配慮」。一方、運動会など学校行事でのスナップ写真の撮影は継続するとしていた。
プライバシー保護はわかるが、スナップ写真はOKで集合写真はNGというのがよくわからない。このあたりの事情について、取材に応じてくれたフリージャーナリストはこう説明する。
「学校側が懸念しているのはディープフェイクの加工の素材に使われることです。クラス写真は名簿順に並ぶことが多く、身元が特定されやすい。そのうえ、正面から顔が写るので加工しやすい。ただ、すべての写真をNGにするわけにはいかないので、横や斜めから撮ったスナップ写真はOKにしたということです」
さらに学校側がクラス写真廃止に動いた背景には、昨年、名古屋市で発覚した教員グループによる児童の盗撮画像共有事件があるという。
「この事件では、小中学校の教員が児童の盗撮画像をSNSのグループチャットで共有。約70点の画像や動画が共有され、中には生成AIで作られたとみられる児童の顔に別人の体を合成した『性的ディープフェイク』の画像もあった。これが今回の廃止のきっかけの一つとなっています」(同)
警察庁によると、今年上半期(1~6月)に生成AIで18歳未満の児童の画像を加工した性的ディープフェイクを取り扱った事案は123件あり、昨年同期から倍増したという。
このような時代の流れを考えると、一見、理不尽なクラス写真廃止も理解できなくもない一方、保護者らの不満もよくわかる。思い出かプライバシーか。なかなか難しい問題だ。






