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コカイン所持で逮捕の「ヤマトリノ」 今後の捜査と量刑のポイント、「ハトを飛ばす」とは

15日、東京都港区六本木の自宅マンションでコカイン粉末約0.4グラムを所持していたとし、麻薬取締法違反の容疑で現行犯逮捕された田沢梨乃容疑者(27)。六本木の超高級キャバクラ「JUNGLE TOKYO(ジャングル東京)」で「ヤマトリノ」の源氏名を名乗り、YouTubeやインスタグラムなどのSNS上でカリスマ的な人気を誇っていただけに、事件は注目を集めている。

さらに田沢容疑者の交際相手で会社役員の福本康太容疑者(28)も逮捕されており、調べに対し田沢容疑者は「2人で一緒に使っていた」と容疑を認めているが、福本容疑者は「自分のものではありません」と否認しており、双方の言い分は真っ向から対立している。

また、自宅からは逮捕の決め手となったコカインの粉末約0.4グラムとは別に、白色の粉末が入った袋が21袋見つかっており、警視庁は鑑定を進めるとともに入手ルートなどを調べているという。

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今後の2人の処分、量刑は

今後2人はどのような手続きを踏んでいくのか。青山北町法律事務所の松本理平弁護士が詳しく解説してくれた。

まず、現在の報道だけを前提にすると、勾留と延長を経て10月上旬ごろまでには起訴・不起訴の判断が下される可能性があると指摘。ただ、自宅から押収された21袋の鑑定結果や尿、毛髪の鑑定から使用した事実などが分かって再逮捕された場合、身柄の拘束がさらに長期化する可能性もあるという。

量刑については、仮に2人が初犯で約0.4グラムのコカインを自分で使用する目的(単純所持)で起訴され、かつ本人が事実を認め、その後、必要な治療体制や再犯させないよう身内や関係者がサポートする環境が整えられた場合は執行猶予がつく可能性もある。

逆に21袋全てがコカインと確認され、かつ総量も多く、販売・譲渡目的や継続的な取り引きが裏付けられた場合は初犯であっても実刑の可能性が高まると説明する。

いずれにしても最終的な処分と量刑は、今後の鑑定によって明らかになるコカインの総重量や所持理由が自己使用目的か営利目的か、さらには入手・販売に関する通信記録、使用期間、前科前歴、更生環境などによって左右されるという。

「今回の事件では共同所持が疑われ、田沢容疑者が共同で使用していたことを認めているが、交際相手の福本容疑者が全面否認しているうえ、21袋の粉末や薬物の入手先についての捜査があります。そのため、起訴前の釈放は相対的に認められにくく、接見等禁止によって弁護人以外との連絡を制限される可能性もあります」

証拠隠滅が容易で組織性が高い薬物事件

一般に薬物事件は証拠隠滅が容易で組織性が高い犯罪のため、起訴前までに2人が釈放される可能性は「相対的に低い」。逮捕された人が保証金を納めれば釈放される「保釈」という手続きもあるが、保釈請求は起訴された後の被告人だけに認められているため、起訴前の被疑者には保釈制度はない。

一方で、弁護人や弁護人になろうとする弁護士との接見は原則として禁止ではない。また、両親など特定の家族についても接見禁止を一部解除できる手続きもあるため、俗にいう「ハトを飛ばす」という行為も散見されると松本氏は指摘する。

拘束中の被疑者が、第三者を介して外部や共犯者と連絡を取ることを指す俗語で、これまでも証拠が捜査前に処分・削除されていたり、薬物の入手先がすでに逃亡していたり、共犯者と供述内容を合わせられるなど、証拠隠滅へとつながってしまうケースがあるという。

また、事件を弁護する意思がないのに接見交通権を利用し、組織や外部からの指示を伝える弁護士を、俗に「ハト弁」と呼ぶ。

仮に「ハト」を利用した連絡が疑われた場合は、被疑者の接見等禁止が長期化するだけでなく、その後の保釈審査でも不利に評価される可能性があり、証拠隠滅など別の犯罪で問題になる恐れもあるという。

量刑判断で警察が重視する4つのポイント

2人の起訴・不起訴の判断が下される10月上旬ごろまでに、警察は以下4つの観点から捜査を行うと松本氏は分析する。

・21袋の中に入っている白色の粉末の「成分と総重量の鑑定」

・次に本人がコカインを使用していたか確認するための「尿や毛髪などの鑑定」

・薬物の入手や購入などの履歴有無を確認するための本人の「スマートフォンやSNSの解析」

・男性の側がコカイン所持を否認しているため、誰が購入し、誰が保管場所を管理し、2人が薬物の存在を認識していたか(共同所持)の立証

ただ、現時点で2人にかけられた容疑は「コカイン約0.4グラムの共同所持」だけだ。コカインは麻薬及び向精神薬取締法上の「麻薬」に該当し、みだりに所持、譲受け、譲渡し、小分けした場合は7年以下の拘禁刑に処せられる可能性があるということしか言えない。

警察が捜査している鑑定結果、コカインの総重量、所持目的のいずれも確定していないため、「今後の捜査結果と裁判所の判断を見守る必要がある」と松本氏は強調する。

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