危険業務叙勲 高田浩二さん瑞宝双光章 県関係は45人受章 発令は11月3日
政府は、警察官や自衛官、海上保安官など危険性の高い職務に長年尽力した元公務員をたたえる「第47回危険業務従事者叙勲」の受章者を決定した。全国の受章者は3千6百21人(うち女性28人)。沖縄県関係の受章者は45人(都道府県別受章者数)で、本籍地が県内にある受章者(2人)を合わせると計47人となる。発令は11月3日付。
瑞宝双光章の高田浩二さん 海域防衛・犯罪捜査に尽力 「父と同じ受章、感慨深い」
今年度の危険業務従事者叙勲(瑞宝双光章)に日本の海域防衛と海上犯罪捜査の第一線で尽力してきた高田浩二さん(65)が受章する。昭和36(1961)年に北海道札幌市で生まれた高田さんは、父親も海上保安官という「海保一家」で育った。父親の背中を追いかけて同じ道に進み、47年にわたり海上の治安維持に尽くした。受章した父と同じ海上保安功労で栄誉を手にする高田さんは「興味を持った犯罪捜査という分野に一貫して携わり、積み重ねてきた成果が認められて非常に嬉しい。父と同じ叙勲を受けられることは感慨深い」と喜びを語った。
海上保安官としての勤務は、昭和58(1983)年の沖縄・中城海上保安部でキャリアをスタートさせた。北海道を一度離れて経験を積みたいという思いから、希望した沖縄勤務。台湾漁船への立ち入り検査(強制捜査)の際、荒天(シケ)に見舞われて警戒のため一晩中拳銃を構えて相手船内に留まり続けたという。緊張感漂う現場を乗り越えた経験が捜査官としての原点となった。
数ある任務の中で最も印象深い勤務地としては、平成4(1992)年から4年間勤務した根室海上保安部を挙げた。
前年のソ連崩壊に伴いロシアとなり、北方領土を望む根室は緊迫した国境の最前線だった。わずか3・7㌔先に外国の実効支配地域が迫る海域で、日本の漁船による密漁の取り扱う一方、ロシア側からの銃撃事件や死傷者の発生から日本の漁業者を守るという相反する難しい舵取りを迫られた。
直接現場を目撃することが叶わない国境海域において、刑事訴訟法の厳格なルールに則って緻密な裏付け捜査を重ねた日々が、捜査官としての信念をより一層強固なものにしたという。
犯罪捜査については「法令を深く読み込み、検察官や裁判官と真剣に向き合いながら成果を出していく面白さがあった」と振り返る高田さん。捜査は個人の力ではなく、組織としてのチームワークがあってこそ完遂できたと強調。定年後も単身赴任で仕事を続けることを温かく見守り、長年支え続けてくれた妻や家族への感謝も口にした。
現在は再任用5年目で、来年3月には47年間の海上保安官生活に区切りを迎える。宮古島海上保安部では「人材育成企画指導官」を務め、長年培った知識と現場のノウハウを若手保安官に伝えている。「これからは一人のOB、応援団として海上保安庁の魅力や素晴らしさを若い世代に伝えていきたい」と語った。
同叙勲は、警察や消防、海上防衛などの現場で社会や公共の安全確保に貢献した功労者を対象に2003年に創設された制度。職種別の受章者数は、警察官が1千8百52人で全体の51・1%を占めて最多。次いで自衛官が968人(26・7%)、消防吏員が642人(17・7%)、刑務官等が93人(2・6%)、海上保安官が65人(1・8%)、漁業取締職員が1人(0・0%)となっている。勲章別では、瑞宝双光章が1千6百40人(うち女性4人)、瑞宝単光章が1千9百81人(同24人)。年齢階層別では70歳~74歳が1千9百62人(54・2%)と半数以上を占めている。



