福井・ふるさと納税返礼品の「越前がに」に「水がに」混入 「返礼品Gメン」と称す覆面調査を導入する自治体も
福井県越前町は24日、ふるさと納税で返礼品としていた福井県のブランドガニ「越前がに」に脱皮直後の未成熟な「水がに」が交ざっていた問題について、混入の事実を認めた。
日本初の自治体による「赤ちゃんポスト」が誕生へ「ふるさと納税」も活用
これを受け、農林水産省は同日、地理的表示(GI)保護制度に基づき、同町に原因究明やカニに関する全ての返礼品の点検を求める措置命令を出した。また、水がにのほか紅ずわいがになどで「越前」を不正に表記していた返礼品が多数あると認定。GI保護制度で自治体への措置命令は初めて。同町は10月から、カニ関連の返礼品の取り扱いを中止する。
先月、鹿児島県ではふるさと納税の返礼品となる牛肉の産地を偽装したとして、同県の畜産加工会社の元取締役が食品表示法違反と詐欺の疑いで逮捕された。ふるさと納税の返礼品をめぐっては、産地偽装が相次いで発覚。
背景には、制度の利用が急成長し、返礼品の調達が間に合わなかったり、自治体のチェックが追いついていなかったりする実情があるようだ。返礼品のトラブルは、事業者のずさんな対応が絡むことが多いといわれるが、産地偽装や不正表記品は地域ブランドを傷つけ、大きな信頼を失うことにもなりうる。
そんななか、ある自治体では徹底した管理の下、品質向上でリピーターを獲得し、安定的に寄付金を集めている。
和歌山県紀の川市では、事業所訪問や参入審査の厳格化のほか、寄付者を装って調べる「返礼品Gメン」と名付けた覆面調査を導入。
2023年11月の「読売新聞オンライン」(読売新聞社)は、桃の出荷が最盛期を迎えていた同夏、同市役所では市職員や農協職員が返礼品の桃の品質や包装状態を確認している姿を報じている。職員たちは納税者を装う「返礼品Gメン」で、返礼品を入手し、品質などをくまなくチェックしている。
同市は、同年度からこの調査を試験的に導入し、2024年度に本格的に実施。市地域創生課の西川昌克氏は「何か大きなトラブルがあれば、地場産品のブランドイメージを壊しかねない」と、「返礼品Gメン」を投入する狙いを明かし、その背景には返礼品への苦情が増えていたという事情があったと話す。そして、その要因とされたのが「寄付の増加に伴い、関わる事業者が増えてきたこと」と語り、徐々に経験の乏しい事業者が参入してきたことが一因のようだ。
ふるさと納税では、自治体が返礼品の調達・発送を担う事業者を募集し、扱う返礼品が地場産の有無や、適正金額か国の基準に照らして審査する。だが、具体的な方法は自治体に委ねられており、チェック体制が甘い行政を相手に悪知恵を働く業者が後を絶たないといったわけだ。
早期の対応で影響を最小限にすることが大事ともいえるだろう。





