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放送行政の大転換、地方テレビ局が再編へ…経営は想像以上に苦しい

地方の民放テレビ局の再編が進むかもしれない。総務省は放送法の省令を改正し、1つの放送局が同一地域で2つのチャンネルを持つ「1局2波」を認める。こう書いてもややわかりにくいので、宮城県を例に説明する。

宮城県にある地上波の民放テレビ局は4つ。東北放送(TBS系)、仙台放送(フジテレビ系)、宮城テレビ放送(日本テレビ系)、東日本放送(テレビ朝日系)である。

例えば、仮に東北放送と仙台放送が合併して「東仙放送」というテレビ局を新しく作ったとして、2つのチャンネルは維持する。残った2つも合併すれば、宮城県にはテレビ局が2つということになる。しかし、チャンネル数は従来通り4つだ。

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これまでは系列を超えた再編や経営統合は認められなかった。放送法には表現の自由や放送の多元性を守るために「マスメディア集中排除原則」があり、特定の企業が同じ地域内で複数のテレビ局を兼営することを禁じていたからだ。

今回、総務省がこのような省令改正を行ったのは、民放ローカル局の経営がかなり苦しいから。総務省の資料によると、ローカルテレビ114社の2024年度の営業利益総額は250億円だった。2015年度の586億円から57%も減少した。

ネットの普及によりテレビ離れは進んでいるが、地方局の場合はさらに人口減少と広告収入の減少によるダメージが大きい。テレビ離れと言っても、東京は人口が増えており大企業が集中しているのでやっていけるが、地方は難しい。

一般的な経済原理からすれば、縮小している業界では淘汰(とうた)が進み、経営悪化している企業は倒産するのが常だ。しかし、放送局は政治色が強い許認可事業なので、国はつぶすにつぶせない。そこでテレビ局同士の合併を認めることにした。

再編して経営安定化するのか

地方テレビ局の数は、その地域の経済力に合わせて国が認めてきた。東北だと青森県と秋田県は3局で他の県は4局。全国で見ると、山梨県と福井県と宮崎県は2局、徳島県と佐賀県は1局しかない。テレビ局の数を制限することで広告収入が確保しやすいようにしていたわけだ。

合併すれば人員削減が進み、設備の共同利用によるコスト低減が進むと期待される。しかし、それで地方局の経営が安泰になるかと言えばかなり疑問だ。延命策にはなるだろうが、厳しい経営環境は変わらない。そして、チャンネルを2つ抱えてこれまで通りの番組制作をしていては経費削減効果が薄いので、どちらか1つは古いドラマの再放送のような極力お金をかけない“手抜き”番組ばかりになるかもしれない。

ラジオ局ではすでに「1局4波」まで認めている。3月には福岡県内のRKB毎日放送、九州朝日放送、ラブエフエム国際放送の3社がラジオ事業統合の検討を始めたと発表した。実現すれば、系列を超えた統合となる。テレビ局も将来的にはラジオのように規制緩和が進むのではないか。

地域密着型の情報発信が強みの地方局が果たす役割は小さくないが、業績改善しないようであれば、一般企業と同じように廃業させてもいいのではないか。今は過去のテレビ番組もネットで見ることができるものもある。今どきチャンネル数維持にこだわるのはナンセンスである。

文/横山渉 内外タイムス

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