大手百貨店「西武渋谷店」が閉店 渋谷を彩った58年の歴史に幕
東京・渋谷で情報発信の中心地だった百貨店「西武渋谷店」が9月30日、営業を終了した。地権者と協議を続けてきたが、賃貸借契約を終了する旨の通知を受け、58年続けた営業に終止符が打たれた。
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雑貨店の渋谷LOFTが営業する「ロフト館」、無印良品などが入居する「モヴィーダ館」は営業を続けるが、百貨店が入居するA館とB館、立体駐車場などが営業していたパーキング館は、同月30日をもって営業を終了した。
1968年4月19日に「シブヤ西武」として開業した西武渋谷店は、映画館や劇場、遊園地を併設するなど、百貨店の枠に収まらない多様な展開を実施。後にオープンした渋谷パルコ(2016年閉館、建て替え中)とともに、若者文化の発信地としての地位を確立した。
一方、西武百貨店は2000年代から業績不振を理由にした閉店が相次いでいた。2016年9月30日に旭川店が閉店したのをはじめ、店舗数はここ10年で14店舗から6店舗に減少した。
近年はアニメ・ゲームのグッズを扱うポップアップショップなどが好調で、業績が回復傾向だった。だが、近年は毎年20億から30億円の赤字を出していたという。
閉店時間が間近に迫る20時頃、現地では多くの人が別れを惜しむように集まった。東京都内に住む10代の少年は「渋谷にはあまり来る機会がなかったが、渋谷の情報を調べていたら西武渋谷店の閉店を知った。最後、無くなる前に行こうと思った」と話した。
静岡県在住の20代の女性は、「アイドルグッズのショップが原宿から西武渋谷店に移転したことがきっかけで、ここに通うようになった。東京に来る機会があったので、最後の思い出作りに訪れた」と笑顔で語った。
韓国から来たという20代の2人組の男女は「渋谷の真ん中にある店が無くなることにびっくりした」と驚いた表情で語った。全国各地の商業施設の閉店に立ち会っているという新潟県出身の20代の男性は「多くの百貨店が不採算事業という世の中の流れだが、土地の事情で人気の西武渋谷店が無くなるとは思わなかった」と話した。
20時の閉店間際には多くの人が施設周辺に集まり、車道を挟んだ向かい側から西武渋谷店を撮影する人も後を絶たなかった。広報担当者は「非常に多くの人にお越しいただいた」と感想を述べた。
この日、新宿・歌舞伎町ではボウリング場の「コパボウル」、ライブハウスの「新宿FACE」も、それぞれビルとの契約満了を理由に閉店する。コパボウルは1971年10月28日にオープンした施設で、西武渋谷店と同じく50年以上の歴史を誇る店舗だった。「東京の昭和」を彩った2つの建物・施設が、同時に姿を消すことになった。
西武渋谷店と同い年だという川崎市在住の58歳の男性は「いろいろな希望や夢をもらった。西武渋谷店ではプレゼントなど、良いものをたくさん買わせてもらった。本当に58年間お疲れ様でした」と西武渋谷店にねぎらいの言葉を述べた。
文/池田聖人 内外タイムス編集部






