監視カメラによるキャバクラ出入り口の記録は適法か、ヤマトリノ逮捕に至った監視カメラ設置の適法性について
有名キャバ嬢・ヤマトリノが逮捕された。逮捕に至る過程で、所属していたキャバクラ店の出入りを警察が監視カメラで記録していたという。
キャバクラのような夜の店の出入りを警察に撮影されたくない人も多いだろう。こうした捜査は適法か。
コカイン所持で逮捕の「ヤマトリノ」 今後の捜査と量刑のポイント、「ハトを飛ばす」とは
キャバクラ店が監視カメラ設置に同意あるいは協力していたのか、また、どのような器具でどのように撮影していたかは定かではないが、一般論として、日本では、警察が捜査目的で監視カメラを設置することが直ちに違法になるわけではない。目的は異なるが街中でも防犯カメラは多く見られるし、これらが違法になるわけではない。
しかし、特定の人物の捜査や店や事務所を対象として撮影する場合は憲法13条に由来するプライバシー侵害の問題が出てくる。
裁判上は、犯罪捜査のための撮影について、
1.犯人であると疑う合理的な理由
2.犯人特定の証拠資料として入手する必要性
3.撮影方法の相当性
を考慮して、捜査活動として適法な撮影かどうか判断されることになる(最高裁平成20年4月15日決定)。
例えば、公道など通常他人から見られる場所を撮影する場合と、住宅内部・ベランダ・マンションの専有部分など、強いプライバシーが期待される場所を撮影する場合では、適法性が異なってくる。
最近の裁判例(大阪高裁令和6年4月26日判決)では、警察が秘匿カメラを設置して道路上を撮影した事案について、不特定多数の人の立ち入りが予定され通常他人から観察される場所であったこと、建物内部を撮影していなかったこと、具体的な捜査上の必要性もあったことなどが考慮されて適法とされた。
適法の可能性高いも、店にとっては営業に影響も…
こうした裁判例からすると、ヤマトリノがコカインを使用しているとの合理的な疑いがあり、かつ、外部から店の出入りを一定期間撮影する捜査上の必要性が認められ、キャバクラ店内部までは記録しないなど相当な方法であれば、適法と判断される可能性が高い。
もっとも、キャバクラに出入りすることを他人に知られたくない客からすれば出入りを撮影されるだけでも苦痛に思うだろう。
店にとっては客が離れかねず、大変迷惑なことであろうから、監視カメラの設置について店側の同意を得ていなかった場合や不必要に長期間撮影していた場合でも店側の受忍限度の範囲内として適法な捜査といえるかは議論の余地があると思われる。
文/竹村公利 内外タイムス






