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特色ある自然の保全を 生物多様性シンポジウムin宮古島

 






2021/12/21 09時03分配信 - 教育 -

 県自然保護課主催の生物多様性おきなわブランド発信事業シンポジウムin宮古島が19日、平良下里のホテルで開催された。沖縄を代表する専門家による講演や討論が行われ、特色ある宮古諸島の貴重な固有生物や自然環境の保全を呼び掛けた。宮古高校科学クラブの生徒も研究を発表した。このシンポジウムは生物多様性の保全と利用の両立を目的とした生物多様性保全利用指針OKINAWA「宮古・久米島編」(暫定版)公開に伴い行われた。
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 このうち県立芸術大学全学教育センターの藤田喜久教授は講演で、宮古諸島の地下水や湧水には貴重な固有生物が多く生息するとして、世界的にもめずらしい洞窟性のウリガーテナガエビなどについて説明。一度海底に沈んだとされる宮古諸島に海を渡れないミヤコサワガニなどの固有生物の存在は「宮古島がどうやってできたか、動植物がどう成り立ってきたか考える上で重要な生物」と述べた。
 近年、移動能力に乏しい地下水・湧水に住む生物は外来種や採集圧力などの危機にさらされていると指摘。藤田教授は「宮古に通って15年、その間でも刻々と変化している。湧水や地下水は本来、生活の場として常に人の目があったが、だんだん希薄になっていることが懸念される。そうした場所に目を向けてほしい」と訴えた。
 「宮古諸島の魅力的な自然とその保全」をテーマに行われた自由討論では、台湾の長榮大學特別招聘教授の久貝勝盛さんが動物学的特徴について「渡り鳥には絶好の中継地。島は小さいが固有種が多く見られ、宮古島を繁殖北限地とする生物も多い。ミヤコノロジカなど固有の化石動物が発掘されている。与那覇湾がラムサール条約(国際的に重要な湿地の保全に関する条約)に登録されている」と紹介した。
 水耕栽培による地下水中の硝酸性窒素濃度減少に関する研究を発表した宮古高校の上里洸敬さん(2年)は「硝酸性窒素は水質汚染物質と捉えられがちだが、見方を変えると植物の成長に欠かせない栄養素。人間に悪いから減らすだけでなく、持続的な利活用を意識することが重要だと思う。見えない硝酸性窒素は他の環境問題と比べて実感するのは難しいが、農家など一部の人たちの取り組みだけでなく宮古島市民、社会全体でこの問題を意識することが必要だと感じた」と話した。
 蟹蔵代表の吉浜崇浩さんは、子どもの頃は身近にたくさんいた生き物が消えていく怖さを語り、「観光客が目指すのは素晴らしい美しい海、豊かな自然。観光開発する側にとっても目標だと思う。漁師も獲る生き物を増やす活動が必要。観光も見せる自然を残さなければいけないという思いでやっている」と述べた。

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宮古諸島の生物多様性をテーマに行われたシンポジウム=19日、ホテルアトールエメラルド宮古島

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