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母体体温監視システムで、収益増、労働負担軽減

 






2021/12/19 09時05分配信 - 産業・経済 -

 宮古島市はこのほど、母牛の分娩兆候を感知して農家に知らせる「牛温恵」の効果検証を行った。2020年度までに同システムを導入した農家では、計1066頭の繁殖牛が20年度に1119頭の子牛を産んでおり、生産率は105%となった。関係者が目指してきた1年1産を超える成果を確認し、市の畜産農家の収益増や労働負担軽減が期待される。市は19年度から導入に20万円の補助を設けており、今後も普及に努めるとしている。
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 牛恩恵は出産前の母牛の膣内にセンサーを取り付け、体温を監視するシステム。分娩兆候特有の体温変化を検知し、分娩1日前と一次破水時に携帯電話やパソコンにメールを送信する。分娩事故を減らして生産性が向上できるだけでなく、夜回りや寝ずの番などの重労働から解放されるメリットもある。
 宮古島市では20年度末までに市の補助事業で37基、以前実施されていた県の事業で9基、個人購入で10基の計56基の牛恩恵が導入されている。
 導入済みの畜産農家では20年度の生産率が105%となったのに対し、未導入農家では90%(繁殖牛4137頭が3725頭の子牛を出産)となり、15と大きな差が開いた。導入頭数が全体の20%を越えていることから、市は有効性の実証に十分なサンプルが得られたとしている。市全体の20年度生産率は93・1%で過去最高。
 市はICTなどを活用したスマート農業推進で経営規模の大規模化や高収益化、労働効率化を後押ししたい考えだが、市の畜産農家の数は年々減少しており、高齢化・後継者不足に直面するなど課題も多い。
 11年に1089戸あった畜産農家は、20年644戸と10年間で40%近く減少している。市は後継者の状況を調査し644戸のうち163戸から回答を得たが、後継者がいると答えたのは79戸で48・46%にとどまった。また、空き牛舎のほとんどは農業用機械の倉庫に使われており、他の農家に貸し出される例は少ないという。
 大きな成果が確認できた牛温恵の更なる普及などのスマート農業推進で、こうした状況に歯止めをかけられるのか注目される。

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宮古島市の肉用牛生産率

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牛恩恵の仕組み

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