「島には何も無い」「都会は最先端なものが集まっているから、若いうちに島から出た方が良い」
様々な場面でそう聞いて育った私は、その言葉を疑うことなく、島外ばかりに目を向けていた。そんな私の視野が宮古島へ向くようになったきっかけが、宮古島市役所に勤める三上暁さん(42)の存在だ。
三上さんは島育ちの私が足元にも及ばないほど宮古島を愛し、住民に目を向けている。その地域愛の原点は、東京にあるニュータウンに住んでいた幼少期まで遡る。住民の多くは地方からの移住者で、多様な文化が交わり合う場所だったが、その土地に根ざし、受け継がれた文化や歴史は無かった。
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