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琉球王国の美と技蘇る~市博物館で巡回展

 






2020/11/10 09時03分配信 - 文化・芸能 -

 琉球王国時代の美術工芸品を制作した当時の姿を現代の職人が忠実に再現した「模造復元」の作品を紹介する県立博物館・美術館(田名真之館長)の巡回展「手わざ―琉球王国の文化―」が8日、市総合博物館で始まった。琉球王国文化遺産集積・再興事業で制作された陶芸や絵画、石彫、三線などの作品30点が展示され、宮古上布保持団体が模造復元に携わった宮古上布なども紹介している。訪れた人たちは現代に蘇った琉球王国の美と技術に見入っていた。22日まで。
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 琉球王国時代の文化遺産は近代化や戦争などによって多くが失われてきたが、同事業は王国時代にあった絵画、木彫、石彫、染織、漆芸、陶芸、金工、三線の8分野の美術工芸品を現在の手わざで模造復元し、王国文化として発信することを目的に2015年度から行われている。
 模造復元は原資料(手本となるオリジナル作品)の調査・研究を重ね、制作された当時と同じ姿のものを新しく制作すること。可能な限り同じ材料や技法を用いている。巡回展は模造復元作品を通して琉球王国の豊かな「手わざ」の素晴らしさと琉球の美意識を紹介するため開催されている。
 初日は関連イベントとして同博物館と制作者による作品の解説が行われ、田名館長は「模造復元は材質から研究して作られた当時の姿を取り戻すもの。それを作る技術の継承が一番大切であり、人材育成を含めた事業。現在、失われた技術もあり、記録に残すとともに次の世代に技術を残していく。巡回展ではかつての琉球王国がどんな文化を持っていたのか実感してほしい」とあいさつ。
 「苧麻紺地経緯絣平織衣裳」の原資料は1884年に海外へ渡り、ドイツのベルリン国立民族学博物館に所蔵されている。模造復元品を織った仲宗根みちこさんは「現代の人が着てもおかしくない柄。昔織っていた人の人物と重なってくる感覚になる。とても意義深い仕事ができたと感謝している」と感想を述べた。
 「苧麻黄色地経緯絣衣裳」は王家が発注した御用布。白地に紺絣を織った後に黄色く染め、現在とは異なる糸の使い方など制作者の新里玲子さんは「これまでやったことがない」技法に手探りで取り組んだ苦労を振り返っていた。

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宮古上布保持団体が模造復元した苧麻黄色地経緯絣衣裳(右)と苧麻紺地経緯絣平織衣裳=8日、市総合博物館

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関連イベントで制作工程を説明する仲宗根さん(左)

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