沖縄民謡などで使われる横笛を宮古島に定着させようと、宮古民謡保存協会(砂川次郎会長)は25日、砂川次郎民謡研究所で初心者向けの奏者育成研修を行った。沖縄本島で活躍する横笛奏者の宇保朝輝さんが講師を務め、35人の参加者に音の出し方などの指導を行った。
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この研修は県文化振興会の文化活動支援助成事業によるもので、宮古島における横笛の研修はこの日が初めてとなる。砂川会長によると、宮古島には横笛の奏者が少なく、レコーディングなどで横笛奏者が必要になると本島から呼ぶことがほとんどという。
小浜島出身の宇保さんは「八重山の民謡では横笛は欠かせない存在。宮古島で定着していないとは驚きだったが、この機会に宮古島からも素晴らしい奏者が育ってほしい」と期待を込めた。
この日、民謡歌手や三線奏者など、伝統芸能に関わる市民の参加者の姿も目立った。市内のホテルや民謡居酒屋などで演奏する塩崎雅朗さん(40)は「もともと自分の横笛を持っていたので、この機会に習いたいと思った。横笛は少し傾けるだけで音程が変わってしまう難しい楽器だが、演奏できるようになりたい」と話した。
同研究所の漢那林さんは「楽器の種類が多いと音楽も豊かになる。この中から10人でも20人でも横笛奏者が生まれ、宮古島の新たな文化として横笛を取り入れたい」と意気込みを見せた。
研修は全8回で、来年2月27日まで行われる。