この季節、朝の訪れとともに大合唱を始めるクマゼミ。真夏の暑さをいやが上にも増してくれる。ふだんは黒くてうるさい成虫を目にしているが、羽化したばかりの姿はとても美しい。
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クマゼミの羽化は日没前後から始まる。地中から出てきた幼虫は木の幹や枝、植物の葉などにつかまって動かなくなり、やがて背中の中央に縦の裂け目ができ、中からゆっくりと白い成虫の体が出てくる。幼虫の殻を出た体はのけ反っているが、しばらくすると前方に起き上って前足で殻につかまると、小さく畳まれていた羽根が徐々に開いて伸びていく。
羽根を広げると12~13㌢にもなる日本国内では大型のセミ。成虫は6月~9月に発生し、7月が最盛期になる。鳴くのは主に明け方から午前中。センダンやホルトノキを好み、大きな群れになることもある。