市未来創造センター(古堅宗和センター長)の図書館新春特別企画、「文房四宝展」が1日から開催された。
同展は、時代とともに変化の中で進展を続ける文房具に焦点を当て、古(いにしえ)の筆記具として、また書においての重要な道具である「筆、墨、硯、紙」の文房四宝について展示・紹介することにより、身近な生活文化の歴史として、市民学習の機会とすることを目的に開催された。図書館が企画展を開催するのは市未来創造センターに移って初めて。
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「文房」とは、古来中国で文人の書斎のことで、そこで使用する道具を文房具と呼ぶようになった。
図書館受付カウンターの向かい側に当たる「コーラルプレイス」で開かれている同展で展示されているのは、ほとんどが古堅センター長所蔵のもので、日本習字教育財団教授で古堅清風の雅号を持つ古堅センター長が国内各地や中国、台湾などを訪れた際に収集したり、買い求めたりしたものが展示されている。
古堅センター長は「大人でも児童生徒でも書道を勉強しているのは多いが、一番重要な道具について学習する機会がない。例えば墨の色や質感は硯や墨の種類で異なるし、同じ道具を使っても紙質が違えば全く異なる作品になるなど、道具について理解を深めることがいい作品につながる。墨汁だけに頼るのではなく、自分で墨を擦ってほしい」と述べ、道具の重要性を説いた。
展示品の中には、初代沖縄開発庁長官で、沖縄・宮古の振興に尽力した故・山中貞則氏が普段愛用していた筆と硯が特別に展示され訪れた人の目を引いていた。同展は9日まで開催されている。