県は5日付で2019年度県文化功労者を発表した。対象は伝統芸能、文化財保護、芸術文化など15人で、宮古からは伝統工芸の宮古苧麻糸手績みで源河サダさん(81、市城辺)、宮古上布で砂川猛さん(79、市平良)の2人が受賞する。芸術文化の振興、文化財保護に尽力する等、沖縄の文化の振興に功績のあった個人及び団体の功績をたたえ知事が表彰する。18日午後、県庁講堂で行われる表彰式に源河さんの長女、砂川さん本人が出席予定。
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文化功労者決定の通知に源河さんは「40年間やってきた。やっぱりうれしい」と笑顔。「担当者に自分が貰うのは早いのではないかと聞いたが、それだけ頑張っていれば大丈夫と言ってくれた。5人の子供たちも喜んで、お祝いしようと言ってくれている。せっかくなので表彰式に出たいが、移動とか大変なので娘に出てもらう」と話した。
手績みは「目も疲れないでおもしろい」という源河さん。「作業が細かくてすごいと褒められたことがうれしかった。これまで手積みをたくさんの人に教えることができて楽しかった」と感想を話した。
03年に国選定保存技術「苧麻糸手績み(ちょまいとてうみ)」技術認定、元友利苧麻糸手積み技術保存会会長。
98年に文化庁伝承者育成事業の研修を受け宮古上布の「砧打(きぬたうち)」を中心に技術の保存・継承と研鑽等に努める砂川さんは「今後も情報を多く集め試行錯誤しながら貢献していきたい」と意気込んだ。
「宮古上布に関わることを生業として生活できる仕組みづくりができれば、悩まずとも継承していけるのでは。難しいことだが官民一体となって取り組む必要がある」という砂川さん。さらに「技法、技術を守るだけではなく道具の作り方、活用法など全体的なことを考えないと継承できないと痛感している」と強調した。
宮古上布保持団体会長代理。14年に全国重要無形文化財保持団体協議会功労者表彰を受けた。