【那覇支局】玉城デニー知事から諮問を受け、県文化芸術振興審議会でとりまとめた答申の手交式が28日、県庁で行われた。同審議会長を務める文学博士の大城學岐阜大・大学院教授は「多様で特色のある文化・芸術資源を生かしつつ、その保存・継承や新たな文化の創造に取り組むとともに沖縄らしい文化・芸術振興施策が展開されることを期待している」と述べ、新垣健一県文化観光スポーツ部長に答申書を手渡した。
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これを受け新垣部長は「伝統芸能、空手、食文化など県民ニーズを捉えた内容となっている。中長期にわたるものも含め、関係機関と連携して取り組んでいく」と意欲を見せた。
答申書は、▽伝統芸能の普及に向け文化と観光を繋げることや国内外への積極的な発信▽バリアフリー化・ユニバーサルデザイン化に特化したメニュー、福祉団体への支援メニューの検討│など10項目が盛り込まれた。このほか、学校教育において伝統芸能を支える環境基盤の整備や大型フェスティバル開催の必要性にも触れている。
「小学生が組踊の演者となるなど気運の高まりを感じる」と話した大城会長に対し、新垣部長は「子どもの頃から伝統文化に触れる機会は重要で、教育員会との連携も強化したい」と笑顔を見せた。審議会に参加した印象について「各委員の文化・芸術に対する熱い思いを感じた。みなさんに敬意を表したい」などと話していた。
文化芸術の振興に関する社会的ニーズが高まるなか、2013年10月に「県文化芸術振興条例」が制定された。「文化芸術の担い手の自主性の尊重」など10の基本理念を掲げ、各種施策に係る事業が実施されている。県は答申を受け、施策に反映させるとしている。