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宮工でEV試験的授業、初の試みに試行錯誤

 






2019/01/09 09時03分配信 - 教育 -

 県立宮古工業高校 (金城透校長) は2018年度、 宮古島市 (下地敏彦市長) と連携して約半年にわたり電気自動車 (EV) 技術者育成のためのカリキュラム検討と試験的授業を実施してきた。 初めての試みで試行錯誤の積み重ねだった同校が授業を通じて見えてきた課題と今後の展望について語った。
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 HV (ハイブリッド車)、 PHV (プラグインハイブリッド車)、 EV (電気自動車)、 FCV (水素燃料自動車) などの次世代自動車の国内販売台数は2008年が10万8518台、 17年が159万5091台と10年で約15倍増加し、 17年の新車販売台数 (乗用車) に占める次世代自動車の割合は36・4%となっている (日本自動車工業会調べ)。 また経済産業省は30年までに乗用車の新車販売に占める次世代自動車の割合を5~7割とすることを目標と掲げており、 さらなる普及が予想される。
 市は低炭素社会実現のためEVの普及促進に取り組んでいるが、 現在、 市内でEV整備を実施できるのは1社のみで整備士は1人しかおらずメンテナンス体制の構築が課題となっている。
 市内のEV普及台数は約300台と年々増加傾向にあり、 早急な整備技術者の確保など対応が求められている。 島内で唯一の 「自動車機械システム科自動車コース」 を有する同校が市と連携することで課題解決に取り組む目的で試験的授業がスタートした。
 授業は同校3年の 「課題研究」 のカリキュラムの中で11回 (33時間) 実施。 県自動車整備振興会宮古支部や日本工科大学校の協力により次世代自動車の基本的概念から基礎的分解・整備作業までの一連の講習が行われた。
 同校自動車コースの新垣純教諭は試験的授業の中でEVだけでなく 「世界のエネルギー問題や宮古島の環境問題、 エコアイランドの基本概念などについても学習してきた」 と説明。 実際に生徒たちは市エコアイランドPR館 (愛称・エコパーク宮古) や市地下ダム資料館、 メガソーラー施設、 宮古空港ターミナルなど様々な施設を見学し講義を受けた。
 全授業終了後の生徒たちのアンケートでは 「EVに興味を持てた」 の回答が55%、 「将来EVに関わる仕事に就きたい」 が27%で、 授業内容にはさらなる改善の余地があることが示された。
 また新垣教諭は 「実習車両や整備機器などの特殊設備の充実」 と 「指導者不足」 を課題に挙げる。 今回実習で使用したEV車両は市が所有するもので、 今後同校が独自に実習をする際には実車が必要となる。 絶縁工具や重量が200㌔にもなるリチウムイオンバッテリーを外すためのリフトなど様々な工具や設備もそろえなければならない。
 指導者不足については学校教諭が次世代自動車について学ぶ機会や時間が限られているため最先端の専門知識や経験を持つ技術者のサポートが必要だという。 今後技術者だけでなく指導者の育成も併せて考えていく必要があるのではないか。
 今後の授業について同校は 「エコアイランドを推進する地元の唯一の工業高校としての役割と期待を担いつつ、 関係機関や地域の皆さまとともに歩みながら 『特色ある・魅力ある学校』 づくりに取り組んでいきたい」 と意欲を見せた。

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実際にEVを見ながらバッテリーやモーターの位置などについて学ぶ生徒たち=宮古工業高校

ファイル 20719-2.jpg
燃料電池自動車 (FCV) の水素充填を体験する生徒=宮古空港ターミナル

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