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深い”風味”ヤギチーズ/冨田常子さん

 






2018/12/06 09時03分配信 - 新製品・新開店 -

 今年3月に結成した宮古島市山羊生産流通組合の組合員は農家だけでなく精肉業や飲食業、 観光業と多彩な顔ぶれ。 城辺保良で宮古島チーズ工房を営む冨田常子さんもその一人。 ヤギのチーズは 「におい」 が強いと思われがちだが、 乳用に飼育されたものは臭みがなく意外とさっぱりして独特の深いあと味がある。 冨田さんは生産者と提携して宮古島産ヤギ乳のチーズ作りを目指している。
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 元々はパン店だが、 パンに付き物のチーズに興味を持ち、 4~5年前からチーズ作りを獣医科大学や酪農家向けの乳製品講習、 北海道のチーズ工房などで勉強した。 最初は牛乳を使ったが、 その頃から国内でヤギが注目され始めたためヤギ乳にも取り組み、 今年1月から販売を開始した。
  「チーズづくりはすべてタイミング」 と冨田さん。 生乳を加熱殺菌しながら専用の乳酸菌で発酵させ凝固するが 「何分後にできるというものではなく、 その時の状況で変化する。 だから目が離せない」 と付きっきりの作業になる。 「難しいので試行錯誤の連続だったが、 チーズづくりはおもしろい」 と話す。
 凝固するまではどのチーズも同じだが、 その先の工程は種類によって違ってくる。 モッツアレラは固まったチーズをお湯で柔らかくしながら練って形を整えるパスタフィラータ製法で作る。 モッツアレラには業務用機械が少なく基本は手作りのため 「小さな工房でもできるメリットはあるが、 その分手作業と人の判断で決まる。 自分の思い通りの味ができるか難しいが楽しい。 パスタフィラータは奥が深く極めればもっとおいしくなる」 と話した。
 現在はモッツアレラ、 それを熟成したスカモルツァ、 燻製にしたスカモルツァ・アッフミカータ、 リコッタなど5種類を作っているが、 まだ宮古でヤギ乳を生産していないため高知県のヤギ牧場から仕入れている。 ヤギ乳は生産量自体が少ないため高価で、 牛乳に比べて固まりにくく歩留は10%ほど。 そのためめずらしい牛とヤギの混乳を使っている。
 混乳チーズは牛だけと違い複雑な味わいがするという。 「食べた後、 ヤギの味が口の中に広がり、 それをワインや泡盛で流し込む」。 冨田さんはヤギの 「臭み」 ではなく 「風味と香り」 と強調する。 ヤギ乳だけで作るフレッシュ・シェブレもあるが、 これは 「本当においしい」 と自信を見せる。 乳酸菌の発酵に時間を要し、 凝固も通常なら6時間だが3日間かかり、 ヤギ乳のある時季限定。 値段は高めだが試食した人は必ず買っていくという。
 「初めの頃はまったく売れなかったが、 少しずつ広まり買いに来る人も増えている」。 10月には2年に1度開催されるジャパンチーズアワードで初めてながら出品した全部門で入賞するなど認められつつある。 来年には上野の観光農園が乳用ヤギの導入を計画しており、 冨田さんは 「宮古のヤギ乳でチーズを作るという夢を実現させたい。 ヤギは世界で一番多くの人に食べられている。 ヤギには色んな可能性があり、 若い人が 『やってみたい』 という産業になれば」 と期待を膨らませていた。

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ジャパンチーズアワードで出品した全てが銀賞など入賞した冨田さん=城辺保良、 宮古島チーズ工房

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パスタフィラータ製法で作るモッツアレラチーズ

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