応用物理学会エネルギーシステム研究会の市民公開講座・座談会 「宮古島でエネルギーと環境を考える」 が7日、 JTAドーム宮古島会議室で行われた。 再生可能エネルギーの現状、 太陽光発電の有効性などをテーマに講義や出席者による議論が行われ、 今後も二酸化炭素濃度上昇に伴う地球温暖化の進行が予想されることから、 自然エネルギーなどの知識をしっかりと持ち対策を考えていくことが大切と呼びかけていた。
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公開講座では同研究会の藤井克司さん (理化学研究所光量子工学研究センター) が講師を務め、 再エネ発電賦課金や太陽電池発電電力の買い取り制度などの現状について説明。 再生可能エネルギーに関して 「発電は供給と使用量を同じにしなければならないが、 太陽光などはいつでも発電できる訳ではない」 と述べ、 出力変動対策として既存発電設備は使わねばならず、 化石燃料の使用を大幅に減らすことは難しいと指摘した。
参加者に▽太陽光発電は本当に二酸化炭素削減に役立っているのか▽太陽光発電を増やすことで既存の発電所を減らすことはできるのか▽個人的そして大局的な経済的な観点から太陽光は良いものなのだろうか│を論点に意見交換を行ってもらった。
太陽光発電の有効性についてある参加者は 「基本的に温暖化対策では二酸化炭素排出量を増やさないことだが、 太陽光発電は発電量が余った時どうするか。 蓄電技術が発展すれば経済性を保てるが、 今は供給量を安定した規模にできないのではないか」 と述べた。
また 「今年は気温40度になって 『クーラーを使うように』 と呼びかけているが電力不足という話はなく、 太陽光発電は役立っているのではないか」 「太陽光発電は二酸化炭素を出さないがパネルなどの製造段階で排出しているのではないか」 「宮古では太陽光が増えてで二酸化炭素が減っている」 などの意見もあった。
藤井さんは水俣病を例に 「当時は最初から原因が特定されていた訳でなかった」 として対策の遅れが被害拡大につながったとし、 特定の現象と温暖化を結びつけることは難しいが 「これから自然エネルギーを使うことが大切になるが、 どう生活に取り入れるか。 正解はないが皆さんが知識をしっかりと持てば議論していける」 と話した。