宮古地区精神保健福祉普及月間にちなんだ講演会 「お酒との上手な付き合い方~からだとこころへの影響~」 (主催・宮古保健所) が18日、 県宮古合同庁舎で行われた。 琉球病院アルコール病棟医長の栗原雄大さんが講演を行ったほか、 アルコール依存症からの回復者が経験談を話すなど、 約20人の参加者がアルコール使用障害などについての理解を深めた=写真=。
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栗原さんはアルコール摂取の基礎知識について説明。 アルコール10㌘=1ドリンクのドリンク換算を紹介し、 ビール (5%) のロング缶やチューハイ (7%) の普通缶が2ドリンクで、 個人差はあるものの体重約60㌔の成人男性が体内で消化するのに約3~4時間かかることを指摘した。
また、 多量飲酒 (1日6ドリンク以上) が一定期間続くと脳の本能を司る神経の 「報酬系」 に障害が起こり、 依存が形成されることを示すとともに、 肝臓や膵臓の疾患、 がんや高血圧、 糖尿病などさまざまな病気がアルコールに関連することを解説した。
栗原さんは 「アルコールは肝臓での代謝が約90%、 呼気や汗、 尿による排出が約10%で運動や入浴でも割合は変わらないため、 飲みすぎた翌日の運転は酒気帯び運転になる危険性がある」 と注意を促した。
同保健所地域福祉班の塩川明子班長は 「今年の保健所のテーマはアルコール健康障害。 地域の現状を共有しながら対策を考えていければと思う」 とあいさつした。