記事一覧

マイクロプラスチック北海岸に多く、破砕前に回収を

 






2017/05/04 09時05分配信 - 科学・環境 -

 長年、 琉球諸島の海岸漂着ゴミを研究している防衛大学名誉教授の山口晴幸さん (68) が、 今年3~4月に宮古・八重山諸島で行ったマイクロプラスチックの実態調査をまとめた。 マイクロプラスチックは漂着ゴミが波風や紫外線などで劣化・破砕して5㍉以下に細片化されたもので、 新たな海洋汚染因子として国際的に問題視されている。 宮古では北海岸線でゴミが大量に漂着している場所が目立ち、 長期的な放置によってマイクロプラスチック化が進む可能性が高く、 破砕前に定期的に継続した海岸清掃の必要性を訴えている。
続き
 マイクロプラスチックは廃プラスチック類ゴミが漂流・漂着の過程で波風や塩分、 紫外線などにさらされて劣化し、 破砕を繰り返して5㍉以下になった微細片の総称。 回収は極めて困難であり、 海洋生物の体内への取り込みは容易になる。 漂流中に有害物質を吸収するため、 生態系への悪影響も懸念される。 海外からの漂着ゴミの多い沖縄では遠距離漂流し、 漂着後も強い紫外線と高温によって劣化・破砕の進行が早いと見られている。
 宮古での調査は4月16~22日に狩俣海岸南側、 狩俣海岸、 池間島北側灯台付近海岸、 吉野海岸、 新城海岸南側岩礁域、 浦底海岸、 保良ガービーチ、 保良漁港脇海岸南側で実施。 海水浴場や人の出入りの多い海岸では部分的に漂着ゴミが撤去されているが、 少し離れた場所は 「想像を絶する膨大な量の漂着ゴミが打ち上がったままの海岸が多い。 清掃し尽くせない状況がうかがえる」 と漂着ゴミ問題の深刻さを憂う。
 漂着したゴミは近隣アジア諸国からの海洋越境ゴミが多く、 内訳はプラスチック微細片の割合が高いという。 また16年の調査によると1平方㍍当たりのマイクロプラスチックの平均的な漂着・混在密度は宮古・池間島3073個、 与那国島7656個、 石垣島766個、 竹富島755個、 沖縄本島・久米島195個。 1万個を超えた海岸は宮古で1カ所、 与那国で3カ所あった。 沖縄本島では漂着ゴミの回収に取り組んでおり、 石垣でも海岸清掃ボランティアが定着して減少傾向にあるという。
 山口さんは 「海洋生物が誤食すれば最終的には人間の体内にも入って来る。 海洋に流出すれば回収不能。 海外の発生国への対策は国がすべきだが、 市町村はマイクロプラスチックになる前に漂着ゴミを迅速、 計画的に回収すべき」 と訴える。 観光オフシーズンの秋~春にかけて漂着する傾向にあり、 この時期に人の出入りが少ない海岸にも範囲を広げて定期的に清掃することを提言した。

関連記事

powered by weblio


 

ファイル 16981-1.jpg
山口晴幸さん

ファイル 16981-2.jpg
狩俣の海岸で回収されたプラスチックや発泡スチロールの微細片、 レジンペレットなど (山口晴幸さん提供)

ファイル 16981-3.jpg
海岸に漂着した大量のプラスチック類等のゴミ=池間島北海岸(山口晴幸さん提供)

ソーシャルブックマークに登録 Yahoo!ブックマークに登録 はてなに追加 del.icio.usに追加 livedoorClipに追加 niftyクリップに追加 Googleに追加 Technoratiに追加 Buzzurlに追加