1998年から宮古・八重山諸島の海岸で漂着ゴミ調査を行っている防衛大学名誉教授の山口晴幸氏 (工学博士) が30日、 宮古新報社を訪問し、 先月24日~今月30日に実施した調査結果を報告した。 両地域ともに海洋・海岸生態系への汚染リスクが高いとされるマイクロプラスチック=写真上=が多く漂着している実態が明らかになり、 山口氏は 「漂流・漂着ゴミがマイクロプラスチック化する以前の対策と海岸清掃の継続が必要。 食物連鎖への影響が心配」 と警鐘を鳴らした。
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今後、 調査結果を論文にまとめ、 土木学会・地球環境委員会シンポジウム (8月31~9月2日予定) の中で発表する予定という。
マイクロプラスチックは大きさ5㍉以下のプラスチックの細片の総称。 漂流中に紫外線や塩分効果で劣化し、 破砕を繰り返して微小化した。 有害物質を多く含み、 非常に小さいため、 摂食による海洋小生物や砂浜や干潟などに棲息する底生小生物の汚染リスクが高いと懸念され、 食物連鎖によって大型生物への影響も危惧されている。
宮古では今回、 池間島から東平安名崎に至る海岸 (10地点) を調査。 結果、 全地点でマイクロプラスチックが見つかり、 池間島北側灯台付近海岸では1㍍四方当り12㌘、 浦底海岸では8㌘ほどが回収された。
山口氏は 「プラスチック類ゴミの劣化がマイクロプラスチックの供給源となっている可能性が高い。 海洋越境ゴミが漂着する海岸での混在密度が高いと思われ、 今後比較検討するためにも全国的な調査が必要」 と指摘。 また 「海岸に漂着したプラスチック類がマイクロプラスチック化する以前に清掃活動する必要がある。 木くずや海藻類の漂着物に混在している場合が多く、 その辺を注視して回収してほしい」 と話した。